2020.06.19ブログ
自賠責保険⑤「一括払い」を含む損害賠償請求の流れ
自賠責保険は請求すればその金額が支払われて終わりというわけではありません。請求を受けた保険会社が提出された書類を添えて専門機関へ調査を依頼しその報告をもとに保険会社を決定します。
🔶請求から支払いまでの流れ
請求者は自賠責保険の保険金を受け取るために必要書類と請求書を加害者の加入している自賠責保険会社に提出します。提出を受けた保険会社は書類をチエックした後、全国に設置されてる損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所に調査を依頼し保険金支払額の算出を行います。
自賠責損害調査事務所は請求書類に基づき加害者にその事故の「責任がある」か「責任がない」のかを判断します。この判断によって加害者の責任の割合が低いとされた場合は被害者の保険金が減額される恐れがありますから自賠責保険審議会の専門部会へ特定事案として審議を依頼します。この自賠責損害調査事務所によって出されたようさ結果をもとに保険会社は支払額を決定し保険金を請求者に支払います。
🔶任意保険会社が行う「一括払い」
「一括払い」とは、加害者の加入している任意保険会社が窓口となり自賠責保険と対人賠償保険の保険金を被害者に対して一括で支払う制度です。一括払いの請求が行われると支払窓口となった任意保険会社は被害者への自賠責保険金を立てかえて支払い後に立て替えた保険金を自賠責保険会社から受け取ります。事故当時者が任意保険と自賠責保険の両方の手続きをした場合膨大な手間と時間がかかってしまいます。そこでこの一括払いの請求を行うことにより事故当時者は請求手続きの軽減と敏速な支払いを受けることが出来るのです。なお、この請求は被害者、加害者のどちらからも行うことが出来ますが任意保険の支払い対象事故でない場合や賠償額が自賠責保険の支払い範囲内の時は一括払いの請求が行えないので注意が必要です。また示談交渉が長期化した場合、保険会社にまかせっきりになってしまいますから自賠責保険の本請求の時効も注意が必要となります。その際は必ず「時効中断申請書」を自賠責保険会社に提出しましょう。
Q＆A
どのような事故で一括払いの請求は出来ないの？
任意保険の対象とならない事故や賠償金額が自賠責保険の保険金で賄える事故は一括払いを請求することが出来ません。例えば加害者の飲酒運転による事故や任意保険会社で保険金を上乗せする必要がない軽症事故の場合も一括払いの請求はできない可能性が高いでしょう。このようなケースに当てはまる被害者の方は自分で加害者の自賠責保険へ請求することが必要となります。
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